関ジャニ∞歳時記~冬と夏に寄せて~

1.はじめに

ReLIVEが発売されましたね。シングルとは思えない盛り盛りの特典映像にテンションが上がって、友人や家族に宣伝(という名の自慢)をさせて頂きました。

その特典映像のひとつ、UPDATE高知公演の「キミへのキャロル」を見て、私は衝撃を受けました。

赤と黒と金を基調にした衣装のきらびやかさと、クリスマスベルの澄み渡る音色があいまって、舞台の上は雪景色の街に早変わり。なにより、関ジャニ∞の歌声とベルの組み合わせって、とてもグッときます。ギターの似合う元気なお兄さんたちが、雪のようにきよらかなベルの音に合わせて歌うなんて、もうそれだけでギャップです。ラスサビ前の「何も持ってないんだけど だからこそ抱きしめてあげられるぜ」で大倉さんと丸山さんが手を握り合う振り付けもすごく可愛いですよね。末の妹のお遊戯会を見に行った時と同じくらい、ほんわかぽかぽかした気持ちになりました。

「キミへのキャロル」は掛け合いの歌詞の中に大阪弁が入っているのもとても良い。変にカッコつけすぎないで、敢えて隙を残す感じは、王道ラブソングを歌っていても消えることのない「関ジャニ∞らしさ」という感じがして、私はとても好ましいです。

キミキャロのことばかり長々と語ってしまいましたが……ようするに私はこういう感動を覚えたわけです。

 

関ジャニ∞の冬の曲って、こんなに素敵だったのか!と。

 

関ジャニ∞のシングルの中では特に「罪と夏」が好きな私は、関ジャニ∞といえば夏でしょ!だってあんなにお祭り騒ぎお兄さんたちなんだし!と思ってきました。

もちろんその側面も否定できません。夏の関ジャニ∞の輝きと切なさはジャニーズタレントの中でも群を抜くに違いないと思っています。今も。

 

しかしながらそれは、関ジャニ∞と四季折々の趣を吟味した末の結論ではなく、「関ジャニ∞=夏」という方程式を盲目的にまで信じ込んで、他の季節との相性をまったく無視していた結果と言っても良いでしょう。

なんたる怠慢。

関ジャニ∞と春、あるいは秋、冬の組み合わせの妙をしみじみ感じようという風情が欠けておりました。

 

そこで、今回の自由研究のために温めておいた「丸山隆平さんとサンリオ」という別テーマをとりあえずどこかに置いといて、「関ジャニ∞の楽曲と春夏秋冬」という題材にスイッチすることにしました。

人間、思い切りが大切なので。

キミキャロに感銘を受けたことから、特に冬の歌についてあれこれ考察できると楽しいですね。今は夏だよ!というツッコミは甘んじて受けます。

 

というわけで、この自由研究は超急ピッチで書き上げたものです。誤字脱字やこじつけがあってもご容赦ください。没案については後日個人的に公開させて頂こうかと思います。

 

 

 

2.関ジャニ∞の楽曲と四季折々

それでは実際に、関ジャニ∞の楽曲の中で四季について扱っているもの=季節ソングをざっくり集計してみましょう。個人的な主観で「これは春っぽい」「これは秋っぽい」と仕分けするのはあまりよろしくないので、題名もしくは歌詞の中に季節の言葉が入っている曲に限定して数えます。あくまで厳正に。

もし漏れがあった時は、「こんな冬の歌もあるよ!」とか「これも夏の歌かも!」と教えてくださると嬉しいです。

関ジャニ∞の楽曲一覧については、Uta-Net(https://sp.uta-net.com/artist/2035/)を参考にさせて頂きました。

 

※なお、補足とお詫び

・花の名前が題名につく曲は、その花が咲く季節にカウントさせて頂きました。厳正にと言った直後にゆるゆる基準でごめんなさい。

・「花火」は本来初秋の季語ですが、現代人にとって花火=夏のイメージが強いと思われますので、ここでは便宜的に夏の言葉としてカウントします。

 

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【春】

次の春です。

咲く、今。

青春のすべて

CloveR

アネモネ

桜援歌(Oh!ENKA)

 

【夏】

純情恋花火

罪と夏

Dear Summer様!

夏の恋人

夢列車

蒼写真(1番)

クラゲ

 

【秋】

イエローパンジーストリート

蒼写真(2番)

 

【冬】

Winter love song

Winter pop

あなたへ

北風ブルース

君の歌をうたう

キミへのキャロル

Snow White

冬恋

冬のリヴィエラ

雪をください

One day in winter

 

冬の曲、多い!

春…6曲、夏…7曲、秋…2曲、冬…11曲と、他と比べて頭1つ抜けて多いことが分かりますね。

ファン歴の長い人からすると「そんなの知ってて当然だよ」という感じかもしれませんが、個人的にはかなりのビックリデータです。(ビッグデータと掛けたわけではないです。)

というのも、「季節ソングで一番多いのはどの季節?」(https://selection.music.dmkt-sp.jp/feed/10010291)によると、

 

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「春」……49%
「夏」……22%
「秋」……14%
「冬」……15%

(dヒッツ調べ)


という結果が出ているからなんですね。

(ここで参考にしているサイトでは調査範囲が明記されていませんが、dヒッツは邦楽を中心としたサブスクであり、邦楽に関するランキング等も多く発表しているため、集計対象は邦楽とみて問題ないだろうと判断しました。間違いがありましたら申し訳ありません。)

 

春は出会いと別れが織り成す多面的な季節であり、季節の情景と人間を重ね合わせたドラマティックな歌が多いことも頷けます。

それにも関わらず、冬の歌が断然多い関ジャニ∞。これは大変興味深い集計結果と言えるでしょう。

 


さて、「I wish」や「マイナス100度の恋」、「10年後の今日の日も」辺りも完全にウインターサウンドですが、冬の季語は登場しないので泣く泣くカットしました。とは言え、「赤い服」とか「大切な夜」という言い回しがクリスマスを指していることは明らかですね。それを鑑みると、冬の歌はさらに多いことが予想出来ます。

ちなみに、関ジャニ∞の冬うた個人的BEST3を挙げるなら、

 

1位 君の歌をうたう

2位 キミへのキャロル

3位 雪をください

 

です。

しばらくの間、2位が雪をください、3位がSnow Whiteで、正直キミキャロはノーマークだったのですが……高知公演のキミキャロを聞いた途端、冬うた勢力図に革命が起きてしまいましたね。おそろしや。

それでも1位は不動の「君の歌をうたう」です。「クリスマス前に別れて ひとりで過ごすイブに」って……歌い出しからもういきなり別れちゃってんじゃん……という切なさ。関ジャニ∞、失恋しすぎじゃない?同じシングル、「GIFT~白~」に収録されている「冬恋」でも失恋しちゃってるし。だからこそ、「キミへのキャロル」や「Winter love song」などで「成功している」ラブソングを歌っているのがいっそう際立つのかもしれませんが。

「君の歌をうたう」は、失恋しているはずなのに悲壮感を覚えさせないところも良いですね。「WASABI」とか「言ったじゃないか」と同じにおいがします。

一言で言うと「違和感」でしょうか?失恋して悲しいはずなのに、音楽は至って明るい。その「違和感」「変な感じ」が癖になってしまうと言いますか。歌詞だけピックアップすれば、何も愉快な(?)失恋ではなさそうなことは確かです。が、クリスマスサウンドのお陰でやけに陽気な歌に仕上がっていますね。「マイナス100度の恋」みたいな曲調ならまだシリアスになりそうなものですが、ここであえてポップに仕上げたからこそ皆に愛されているのかも。

どこか間抜けで愛おしくなるような問答無用に明るいクリスマスサウンドは、案外、失恋ソングととても相性が良いのかもしれません。

 

それから、意外にも秋が少ないことが分かります。「この曲を聞くと何となく秋を思い出す」とか「この曲は秋のことを歌っているように感じる」というインスピレーションの部分ではもっと多いとは思うのですが……歌詞中、題名中に名言されているという観点から見ると、秋の歌は少ないようですね。しかし裏を返せば、直接的な言葉や季語が無くても、メロディやニュアンスだけで「秋感」を出すことが出来る、というのが秋の特徴なのかもしれません。

例えば、私は「Baby Baby」は秋の曲だなと思っています。「満月が見下ろす坂を下る」という一節や、冒頭のギターのメロディは、秋の夜を彷彿とさせるもの悲しさがあって……「長々し夜をひとりかも寝む」という風情があります。

イエローパンジーストリート」は、少し曲者でした。この作品は、「D.W.L」との両A面シングルとして2011年の4月、つまり春にリリースされたものです。さらに、パンジーは品種改良の結果秋に咲く品種や冬に咲く品種が出てきただけで、本来は春に咲く花です。従って、「春うたなのでは?」という指摘もあるかもしれません。しかしながら、私はどうしてもこの曲に「秋」を感じてしまい、春うたに仕分けることを躊躇わざるを得ませんでした。そこでこの歌詞にたどり着きます。

「ねえ うろこ雲の隙間から差す光が 妙に嬉しくて立ち止まったよ」

そう、うろこ雲。「うろこ雲」は秋の季語ですね。もちろん、うろこ雲は秋に多いというだけで、春にも見られないことはありません。ただ季語という観点から見ると、今回は秋に分があるような気がいたします。イエパンは秋うたなのか、春うたなのか、それとも季節は関係ないのか…それはもはやTAKESHI先生のみぞ知る世界ということで、これは私のいち解釈として受け取って頂けると幸いです。

 

さて夏うたは、「罪と夏」のイメージが強いせいか、もっとアゲアゲでケバケバした歌が多いイメージだったのですが、案外、浴衣の君にどぎまぎしたり、夏休みが来るから会えなくなるのを寂しがったり、過ぎ行く夏の切なさを想ったりしている歌が多いみたいですね。夏の歌ではない歌に「夏っぽい歌」が多過ぎるのでしょうか?陽気で賑やかなパブリックイメージに反して、関ジャニ∞、たいそう奥手で純愛派なようです。

 

「蒼写真」は少し特殊な歌ですね。

前半パートは「祭り」「夏草」「蜃気楼」から夏と分かります。「蜃気楼」は晩春の季語ですが、熱気で遠くがゆらゆらと屈折して見えるあの情景は、春と言うより夏ですね。後半パートは一転して「露草」「虫」などが出てきます。これらは秋の季語としてよいだろうと判断して、「蒼写真」の2番は秋の曲に仕分けました。

ひとつの曲の中でふたつの季節が移ろうというのは、「切なさ」「儚さ」を演出するという意味ではこれ以上ない説得力を持っている気がします。「蒼写真」が私たちの胸を打つのは、関ジャニ∞の境遇に重ね合わせてしまうからだけではなく、数分という短い曲の中でさえ一貫しない季節の移ろいの早さに、何となく切なくなってしまうからかもしれません。作詞家の先生の罠にまんまと引っかかった!という感じです。

(本筋から逸れますが、「蒼写真」を作詞作曲した葉山拓亮先生について調べてみますと、「Brilliant Blue」「ルラリラ」「Fight for the Eight」「Winter Love Song」「北風ブルース」も葉山先生のご提供曲らしいです。何とも素敵な曲ばかり…特に「Brilliant Blue」の情趣の豊かさときたら、関ジャニ∞の楽曲中屈指ではないでしょうか。「汚してしまいたい」とか「思いよ薄まれ」と訴える歌に、よりにもよってbrilliantという言葉を当てるの、皮肉のキレが良すぎてゾクゾクします。)

 

本題に戻ります。

春の曲についてですが、「花」とか「咲く」という言葉が題名につく曲が多いので、これらを春にカウントすべきか迷いました。「渇いた花」とか、「咲いて生きよ」とか。「CloveR」は、まあ、シロツメクサは春の草だし……と言い訳しながら春に仕分けました。春も、秋のように直接的な言葉は避けて表現しているような印象です。夏や冬のように時節として強烈でないぶん、言葉は曖昧にして、空気感だけで季節を感じさせるのが粋なのかもしれませんね。

(「桜」「卒業」なんかの象徴的な言葉は別ですが。)

「咲く、今。」の「出会って 別れて 笑って 泣いて」なんかはそれが顕著な気がします。言葉だけ切り取るとなんてことない動詞の羅列ですが、極限まで引き算したバックミュージックの切なさとも相まって、「卒業」の2文字が浮かび上がるのは必至です。「咲く」に「出会い別れ」が重なると、そこに「春」だの「桜」だのが無くても、それは春の歌になってしまうんですね。

 

数値の上では冬の曲が多いのですが、関ジャニ∞を語る上で欠かせない季節といえばやはり夏。夏といえば関ジャニ∞関ジャニ∞といえば夏なのです。(暴論)

代表曲の「無責任ヒーロー」や「ズッコケ男道」はどちらかと言えばお祭り騒ぎの夏って印象ですし、デビューシングルの「浪花いろは節」だって盆踊りの音頭みたいな側面がありますから夏と言って差し支えないでしょう。

関ジャニ∞には、「夏」という言葉や夏の季語が含まれていないにも関わらず、夏を彷彿とさせる歌が多く存在するように思います。

よって、「関ジャニ∞の季節ソングツートップは冬と夏」説が浮かび上がるわけです。

 


そうなると、元気印の関ジャニ∞に冬の曲を宛てがう意味についてはとても興味深いものがありますね。

 

 

 

3.関ジャニ∞と夏と冬

ここでふと、「関ジャニ∞の歌って夏っぽいのと冬っぽいのが多いよね」と思ってるのが私だけだったらどうしよう?と不安になってきたので、Twitterのアンケート機能を利用し、「関ジャニ∞の楽曲で好きな季節は?」という質問を行うことにしました。

結果としては、

 


春…4%

夏…45%

秋…1%

冬…50%

(2020/8/24集計)

 


となりました。

夏と冬という全く逆の季節の曲が同じくらい支持を得るというのは面白い結果ですが、これは関ジャニ∞だけに限定した話では話ではないかもしれませんね。同じアーティストが手がけるテーマとしてはまったく極端な性質を持つ夏と冬、このふたつに偏るのもむべなるかなという感じです。

 

ここで、「関ジャニ∞の季節といえば?」というアンケートの結果もご覧頂きましょう。

 


春…2%

夏…71%

秋…3%

冬…24%

(2020/8/25集計)

 


ここでは夏が圧倒的です。


個人的に新たな発見として、関ジャニ∞に「春」「秋」「冬」を感じるファンも一定数いるということが分かりました。私は、夏に票が集中して春秋冬は限りなくゼロに近くなるだろうと予想していたのですが……いや浅慮でした。

 


さて、そのグループ自体が持つ季節のイメージと、人気のある季節ソングの傾向が一致しないのは、なかなか面白い結果ではないでしょうか。楽曲人気が夏に集中せず、むしろ夏を上回る勢いで冬の楽曲が人気なのは注目すべきことだと思います。

 


これは何となくの印象ですが、関ジャニ∞の「夏の側面」に惹かれて沼を覗き、「冬の側面」を見てしまったが最後引きずり込まれて戻ってこられなくなった人が多いように思います。これはいわゆる「ギャップ」というやつですが、楽曲方面に限定して言うと、「夏」「冬」という言い方が出来そうです。


もちろん比喩としての意味も大きいですが。


浪花いろは節」のカップリング曲「Cool magic city」も、題名はどことなーく冬っぽいような気もしますし……

関ジャニ∞とは、夏と冬の両側面を持って生まれたグループであり、それこそが最大の魅力なのかもしれません。

(もしも関ジャニ∞が夏の側面だけを持つグループだったら、私はこんなにも彼らに惹かれていなかったことだろうと思います。きっかけこそクロニクルでのわちゃわちゃした姿だったけれど、「好きだなあ」と実感したのは、関ジャムで様々なアーティストとセッションする静かなる音楽人としての姿、あるいはラジオでゆったりと喋る姿だったのだから。)

 

 

 

4.まとめ

関ジャニ∞というアイドルは総合的に見ても多才かつ多彩なグループですが、楽曲にのみ焦点を絞ってみても、四季折々の様々な側面があり、それぞれの側面に支持者が存在することがわかりました。


ひとくちで2度美味しいってやつでしょうか?


関ジャニ∞の楽曲人気が夏冬に集中する理由についてですが、これは「カッコイイところを見たらカワイイところが見たい、カワイイところを見たらカッコイイところが見たい」という、ファン心理に依るところが大きいのは言うまでもありません。

それから、関ジャニ∞が地上波で見せるのはどうしたって「夏の顔」ですし、「夏の歌」に偏ります。そのぶん、コンサートやシングルのカップリング曲、アルバム曲で見せてくれる「冬の側面」は、関ジャニ∞とファンだけのヒミツの約束って感じがして、いっそう冬の歌への思い入れが強くなるのかもしれませんね。

 

関ジャニ∞の持つ「冬の側面」に惹かれた瞬間から、関ジャニ∞の本当の沼が始まると言っても過言ではないのかもしれません。

 

となると次は、母数が膨大になりますが、関ジャニ∞が発表した楽曲を全て「夏」か「冬」のどちらかに大別した一覧なんかも作ってみたいですね。それこそ個人の主観に依りますが…これが綺麗に5対5になったら圧巻ですし、どちらかに偏っていても考察のしがいがありそうです。

 

 

以上、関ジャニ∞歳時記~冬と夏に寄せて~でした。乱筆ながら最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

2020.08.27