2019年を振り返る

2019年は、汗をかいたり涙を流したり、わりあい必死に過ごした。それはもちろん実生活にも当てはまるし、推しを応援するという意味でも当てはまる。特に今年は、色んな方向に対してマックスに感情が振り切れた一年だったかもしれない。

自分は何があっても絶対にハマらないだろうと思っていた"ジャニーズアイドル"に魅了され、その沼の奥深さと光と闇を垣間見たりして、寂しくて笑うしかなかった日も、嬉しくて涙がこぼれた日もあった。心の底から笑えた毎日も、悲しくて泣いた日々も。今年一年間は間違いなく、関ジャニ∞さんが私の人生とともにあってくれた。

 

私は少しひねくれたところがあって、特に中学生の頃は、まっすぐでひたむきな歌が嫌いだった。努力しても報われないことはあるし、頑張っても適わない相手はいるし、自分のことは自分でやれと思うし、何かの間違いで生まれてきた人間もいるだろう、と本気で思っていた。

自分のしんどかった過去をつらつらと述べるのはあんまり好きではないので端的に言うと、私はいじめられっ子だった。生真面目さだけが取り柄の鈍臭い子で、いじめられっ子の典型みたいな子だった。だから、真面目に生きていたって何もいいことない、と思っていた。

でも、思い切って進学した遠方の高校で、私の世界は180度変わった。色んな人に出会って、色んな経験をして、努力には結果に左右されない価値があると知ったし、頑張れば認めてくれる人がいるんだって教えてもらった。

そうしてようやく自分に自信を持てるようになったのが高校2年生の終わりぐらい。ちょうど今年の始まりくらいだろうか。

関ジャニ∞さんと共に過ごしたのは、そういう一年間だった。苦しかったそれまでがだんだん報われていくのを実感してゆく一年に、関ジャニ∞さんは寄り添ってくれた。

 

そんな時期だったからこそ、彼らの姿と言葉はとても輝いて見えたんだと思う。裏を返せば、あの時でなければ、こんなにも好きになれていなかったんだろうな。

何度も何度も、「もっと早く好きになっていれば」と思った。もっと早く好きになっていれば。その言葉はこの一年間ずっと私を苛んだけれども、やっぱり今年でなければダメだったんだと思う。小学四年生の私では、中学二年生の私では、関ジャニ∞さんをこんなにも好きになれなかったんだと思う。こんなにもすんなりと彼らの歌を受け入れられなかったんだと思う。まっすぐに生きる彼らを、こんなにも愛せなかったんだと思う。

 

関ジャニ∞さんのファンになってから、それまで抱いたことのない感情をたくさん知った。初めての経験もたくさんさせてもらった。

錦戸さんの脱退があって、しばらくは距離を置いたこともあった。好きな人を嫌いになりたくない、好きな人に失望したくない。そんな思いばかりが先走って、自分が本当に応援したいものが何なのか分からなくなった時期もあった。「これからの亮ちゃんのことは全て、いちアーティストとして受け止めよう。今はとりあえず、5人を応援したい」と思えるようになるまで、少し時間がかかってしまった。細々でもいい、とにかく続いてくれれば…って弱気になっていた時期もあった。でも、応援する側がこんなに弱気なことじゃダメだと奮い立った。

関ジャニ∞さんの言葉に勇気付けられた。

関ジャニ∞さんの言葉に不安になった。

関ジャニ∞さんの言葉を信じようと思った。

色んな報道に、心無い言葉に傷ついた日もあって、楽しいばっかりじゃなかったけど、それでもこの人たちを好きにならなきゃよかったなんて思った日は1度だってなかった。それはきっと、彼らがどんな時だってまっすぐ私たちに向き合ってくれたからだ。

 

元来ひねくれ者の私が、まっすぐな関ジャニ∞さんを好きになれたのは、きっと、まっすぐに生きることを受け入れられるようになったからだと思う。

彼らを好きでいることで、今の私だけじゃなくて、小学生の時の私や、中学生の時の私も救われる。不器用で鈍臭くて、まっすぐに生きることしかできない自分が嫌いだった頃の私も、報われるんだ。

 

何度、もっと早ければと思ったか知れない。

だけど、あの時好きになったのには理由があるはずだと、それを追い求めた一年間だった。

その答えがようやく分かった。

まっすぐな関ジャニ∞さんの姿を、まっすぐに受け止めるだけの心を、私はこれまでの人生をかけて養っていたんだ。あの時より早く知っていても、きっとこんなに愛せていなかった。ようやく自分に自信を持って、まっすぐ他人と向き合えるようになったあの時だったからこそ、あんなにも惹かれたんだ。

 

もう叶わない夢がある。

でも、叶えてもらった夢もある。

大倉さんは「またドームに立ちたい」という夢をまっすぐに言ってくれた。だから私も、その夢をまっすぐに受け止めようと思う。

その言葉の裏には色んな思いとか、意味とか、あるかもしれない。でも、その裏をあれこれ詮索するのはもうやめる。彼ら5人が発信する言葉をそのまま受け止めることにする。もちろん言葉だけじゃない、姿やパフォーマンス、態度、未来…その全てを、まっすぐそのまま受け入れようと思う。

そして、まっすぐな彼らに恥ずかしくないように、まっすぐな私でいよう。

私に出来るのはそれだけだと思うから。

 

そんなことを思う年の瀬でした。

 

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きっかけという名の

 

 

しがない大河ファンだった私は、錦戸亮さんの演技とルックスに惹かれて、「アイドル・錦戸亮」に興味を持つようになった。

 

 

最初に見た動画は、クロニクルのいきなりドッジ、だったと思う。

外から届いた重箱の中身を、亮ちゃんが過剰に怖がるという、あれ。

 

端的に言うと、私は混乱した。

 

あれっ?錦戸亮さんってこんな人だったっけ?

 

おぼろげにたゆたう、かつてバラエティ番組で見た彼の姿を必死にかき集めた。

 

しかしながら、「錦戸亮はビビり」なんて情報はどこにもありはしなかった。

少なくとも、私の記憶の中には。

 

しかしどうだ。現実は。

 

デリバリーの要領で届けられた重箱。

中身を確認してにんまりと笑うすばるくん。

「亮!」と真っ先に名前を呼ばれた錦戸さん。

 

(この時点で、彼がメンバーから重度のビビりと認定されていることが伺えた。)

 

重箱は丸山さんにバトンタッチされ、当の錦戸さんは、

「嫌や!!俺嫌や!!」

と、駄々を捏ねる。

容赦なく重箱を突き付ける丸山さん。

そして謎の「ネコ?」発言。

 

 

意味がわからない。

意味が分からなすぎて可愛い。

頭が痛い。

 

そんな感情を、成人男性、しかも三十路過ぎの強面イケメン俳優(とこの時は思っていた)に抱くとは、ついぞ10分前までは思ってもいなかったのに。

今思えば、これがいけなかった。

ここで、

 

「わあっ錦戸さんってこんなに可愛い人だったのね!?しかも、グループみんな仲が良くて素晴らしい!関ジャニ∞ってどんなグループなのかな?🥺🥺🥺」

 

なんて思ったのがいけなかった。

 

それはそれは深い谷底へと誘う悪魔の囁きだとも知らず、いたいけな大河オタは、未知の領域へと足を踏み入れて行ったのだった。

 

 

 

 

その次は、英会話伝言ゲームを見た。

 

かの有名な、「パスポート取りたいんです回」だ。

あれを見て笑わない人間が、果たしてこの世に存在するのだろうか。

それくらい笑った。

人生で息が出来なくなるほど笑ったランキングの、かなり上位に食い込むハズだ。

 

しかし惜しまれるのは、深夜、寝る前に布団の中で見てしまったこと。

思いっきり大笑いすることも出来ず、かと言って笑いを堪えることも出来ず、ただ必死に笑い声を抑えて布団の中で蹲る様は、さながら噴火前の火山の如し。

 

迫り上がるマグマに耐えながら動画を見終わった頃には、私はすっかり横山さんと村上さんの虜になっていた。

 

今思えば、「外国人の喋る英文を聞き取って後ろの人に伝える」というたったそれだけの企画で、ファンでもない人間をここまで笑わせるなんて(単に私の笑いのツボが浅いという指摘には目を瞑るものとする)、恐ろしい人たちだ。

 

錦戸亮さんの沼に落ち、続いてヨコヒナの沼に浸かるまで、じつに1週間とかからなかった。

我ながらチョロい。

チョロ過ぎる。

 

 

 

その次に見たのは、「ビースト!!」だった。

 

正確に言うと、「初めて意識的に聞いた関ジャニ∞の楽曲」が、「ビースト!!」だった。

 

無責任ヒーロー」や「がむしゃら行進曲」、「ズッコケ男道」なんかは、ファンになる前からよく聞いたことがあった。

 

逆に言えば、その3曲しか知らなかった。

よくもまぁそんな浅学なことでジャニ界隈に入門したな…と今なら思うが、かえって良かったのかもしれない。

この後、数々の爆イケ曲、もとい名曲を知る楽しみが大きかったのだから。

 

さて、ビーストの話に戻る。

 

「錦戸さんは、ライブでふんどし姿になったこともあるんですよ〜!」

 

そんなことを、心優しい(或いは沼に突き落とそうと目論む)先輩eighterさんが教えてくれて、私は「ふむ。」と思った。

 

…いいのかな?

嫁入り前の小娘が、他人(アイドル)とは言え男性のふんどし姿を見るなんて。

あ、大河ドラマのふんどしはいいんです。物語の構成上、必要なので。

でも、「ふんどし姿が見たい🥺💓」なんてふしだらなこと考えるのは、やっぱりいけないんじゃないだろうか………

 

 

そう思ったときには、既に「ビースト!!   関ジャニ∞」で検索していたし、私の人差し指さんは動画再生ボタンをタップしていた。

欲望って恐ろしいな………と他人事のように思った。

 

 

正直このときは、亮ちゃんと村上さんのことしか見ていなかった。

というのも、関ジャニ∞を好きになる前、私は丸山隆平さんを認識していたかどうかすら怪しく、好きになって直後も、何なら一番興味がなかったからだ。

後々、この丸山隆平さんに大いに狂わされることとも知らず、私の初ビーストは終了した。

 

ビーストのふんどし姿が鼻血ものであることは敢えて特記せずともeighterの皆さんには通じることと思うので、ここでは省略する。

 

注目すべきは、私はここで「関ジャニ∞のふんどし姿」よりも、「楽曲」に強く惹かれた、ということだ。

 

検索した動画では、既にふんどし姿になったサビ部分のみが流れていたのだが、このサビがあまりに好みで、3人のサービスシーンそっちのけで釘付けになってしまった。

 

フルで聞いてみると、私の性癖をどストライクにぶち抜くイントロから始まり、「こんなイケメン3人で歌う曲じゃなくね?」と思うほど、どこか情けなくて愛おしい歌詞。

しかし、その抜けた雰囲気がかえってリアルな男らしさを醸し出していて、ビースト中毒に陥ってしまった。

もう、しばらくビーストしか聞けなかった。恐ろしい。

 

この曲がきっかけで、ルックスや面白さだけでなく、関ジャニ∞の楽曲にも興味を持つようになった。

 

 

 

 

そして私を関ジャニ∞箱推しにまで一気に押し上げたのは、「十祭」のライブDVDだ。

 

同級生でジャニーズWESTファンの子に、

 

「私、ちょっと前から関ジャニばっかり見てて、もう毎日それしか考えられないんだけど……これってもうファンなのかな?」

 

と相談すると、

 

「自分はeighterって訳じゃないけど、十祭のDVD持ってるよ!貸してあげようか?」

 

と言ってくれた。

返す返す、その子には頭が上がらないな……と思う。

あのタイミングで十祭を見たことは、後々のオタ活にも大きな影響を与えてくれた。

 

 

そして借りた十祭。

私はアイドルのライブDVDを見ることすら初めましてだったので、心得も作法もよく分からず、その日の夜9時くらいに何となく再生し始めた。しかも次の日には小テストが控えていて、1時間ほど勉強してから寝ようと思っていた夜だ。

無謀すぎる。

今なら分かる。

ライブDVDなんて、1度見始めたらもう終わるまで見てしまうのに。

 

それなのに私ときたら、

 

「まあ、1曲くらい見たら勉強するか」

 

なんて馬鹿なことを考えていた。

 

DVDをセットした。

再生。

 

ぶわりと広がってゆくエイトコール。

 

オープニング映像が映し出される。

 

悲鳴が上がる。

 

 

ここで、丸山さんの

 

「十祭へようこそ!!!」

 

という声。

おおい、ちょっと待った。

丸山さんってこんなにいい声してたんだ。

 

なんて冷静でいられたのは一瞬で、すばるくんの美声が響き渡るのを聞き入っていたら、あっという間に一曲目は終わっていた。

 

というか、何なら四曲くらい終わっていた。

 

気がついたらキングオブ男が始まっていた。

 

私は慌てて動画停止ボタンを押した。

そして呆然としたままDVDを取り出し、自分の部屋に上がり、静かに英語構文テキストを開いた。

 

 

泣いた。

 

あんまりだと思った。

誰か教えてよ。

ライブDVDは見始めたが最後、終わるまで目を離したらいけない、って。

カッコよすぎるので、最後まで止まれないよ、って。

 

かっぱえびせんをはじめて食べる人が、袋を開けながら「1つだけ食べよっかな」なんて言っていたら、

 

「やめろ!ひとつだけしか食べないつもりなら、最初から食べない方がいい!!!」

 

って言うでしょ?

 

あの時の私は、まさにかっぱえびせんを一つだけ食べようとしていたかっぱえびせん初心者。

 

無謀すぎる。

 

ここまで関ジャニ∞さんのことしか考えられない頭にしておいて、英語の構文なんて覚えられるわけがない。

 

え?ought to?オークラ?

 

ええいやめろやめろ、私の学習の邪魔をするな!

 

なんて悲痛な叫びは届くはずもなく、次の日の小テストが散々だったことは言うまでもない。

 

 

日を改めて見た十祭は、本当に衝撃的で魅力的で犯罪級で、とてもここでは語り切れない。

…ので、そのうち言葉に出来たらなと思う。

 

ひとつ言えることは、もし初心者の方に関ジャニ∞でオススメのライブDVDを聞かれたら、間違いなく十祭を差し出すということだ。

そして箱推しになればいい。

箱推しになって日々溢れ出る愛情の行き場に困って暴走すればいい。

 

なんつって。

 

十祭で箱推しにぶち上げられた私は、その後徐々にまるちゃんに惹かれてゆき、決定的な担当確信の瞬間を迎えるまで、気ままな虹色ライフを送ることになるのだった。

 

 

そんな訳で、特に需要のない、私が関ジャニ∞さんに沼ったきっかけでした。

 

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